求人広告費に頼らず人材を集める──外資系アパレル企業の採用改革

全国に複数ブランドを展開する外資系アパレル企業(従業員2,000名超、平均年齢20代後半)。成長を続ける一方、人事部門には静かな危機感がありました。
ここ数年、求人広告費は高止まりし、若年層採用の競争も激化。全国募集を広告メディアに依存する構造が固定化し、年間数百万円規模の中途採用コストが発生していたのです。一般的に中途採用1人あたりの広告費用は35万〜40万円前後とされ、同社も例外ではありませんでした。

その状況を打開するべく相談を受けたのが、HRソリューション事業を展開するジェイ・ライン株式会社でした。


1|「広告から仕組みへ」の発想転換

ジェイ・ラインが着目したのは新規メディアではなく、既存の求人プラットフォームを最大限に活用する仕組みでした。
複数の求人サイトや検索サービスと日次連携可能な「Hito manager」を中核に据え、応募者管理の自動化や採用ページのSEO最適化を組み合わせ、広告に依存しない母集団形成を狙いました。

導入時には、外資系企業特有の掲載制限や、アパレル専門媒体・モール内求人の一元管理といった課題がありましたが、以下の三施策を並行して実行しました。

  • 主要求人サイトとの強力な連携IndeedやGoogleしごと検索などと日次連携し、求職者接点を最大化。
  • 応募者の自動取込・一元管理大手アルバイト媒体からの応募を自動取り込み、返信メールも自動化。工数削減と対応漏れ防止を実現。
  • SEO対策と採用ページ最適化専任デザイナーによる採用ページ制作とSEO最適化で、検索上位表示と応募マッチ度を向上。

広告の代替ではなく、採用基盤そのものを再設計するアプローチでした。


2|コスト削減と新たな応募層の獲得

導入後まもなく、求人メディアへの依存が低減し、採用活動が自律的に回る状態へ移行。年間の広告掲載費は大幅に削減されました。
従来、1人あたり35万〜40万円かかっていた中途採用広告費は大きく圧縮され、さらに外国籍人材からの応募も増加。多様な人材確保への道も開かれました。

人事担当者は次のように語ります。
「母集団形成の主導権を自社に取り戻せた。コスト削減だけでなく、ブランド発信の効果も実感している」


3|多店舗展開への“再現性”

本件を支援したジェイ・ラインにとっても大きな学びがありました。
HRソリューション事業部リーダー・土居夕朔氏はこう振り返ります。
「採用費を削減すれば短期的な利益は減ります。しかし利益よりも、お客様にとって最適な採用手法を提示し、関係性を構築することが重要だと学びました」

この経験から得られた知見は、BtoCで多店舗展開する他業種にも有効です。
採用費高騰、人材定着、ブランド発信といった課題に直結し、業界を越えて再現性を持つ仕組みであると位置付けられます。


4|採用課題は「仕組み」で変えられる

今回の事例はアパレル業界ですが、求人広告費の高騰に悩む企業は少なくありません。
広告依存を脱し、採用活動を「仕組み」として再設計することが、持続的な人材確保につながります。

ジェイ・ラインは各社固有の制約条件を整理し、「できること・できないこと」を可視化したうえで段階的に仕組みを導入。短期的な成果以上に「採用力の持続性」を重視しました。
広告費に頼らず、多様な人材を確保する道を拓く──今回のプロジェクトが示した最大の示唆は、この一点にあります。


お問い合わせ

ジェイ・ライン株式会社 HRソリューション事業部 リーダー
土居 夕朔
E-mail:doi@j-line.co.jp


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クラフトレイルでは、ジェイ・ライン株式会社をはじめ、採用・人事制度・DX・組織文化などで成果を上げる優秀なパートナー企業が多数参画しています。
貴社の課題に応じて最適な専門家をご紹介し、短期の施策から中長期の仕組みづくりまで伴走支援が可能です。

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